ひねもすのたりのたりかな──。
そんな言葉が頭に浮かぶ陽だまりで桜の花びらが舞っている。
花びらは風の無い縁側で止め処なく舞い散り、微かな紅が廊下を、中庭を染めていく。
日本人なら誰しも待ち焦がれるこの    を、肥前忠広は視界に入る花びら一枚一枚を叩き斬ってやるといわんばかりに苦々しく睨んでいた。
「くっそ、どーすりゃいいんだよ」
そんな切なる思いを掻き消しながら、降り止まない桜の花びらは、季節外れの吹雪の様に肥前忠広の足元に積もっていった。
[newpage]
年度替わりが慌しいのは、現世に限った話ではない。審神者業もまた、年度替わりは政府からアレコレと面倒な仕事を言い渡され、期限付きの提出物が行進しながら押し寄せて来る。
そして書類仕事が何よりも苦手なこの本丸の審神者は、提出期限が近づくと必ずその行進に踏み潰される。そう、修羅場になるのだ。
この本丸が出来て暫くは長谷部が嬉々として手伝っていたが、元政府刀の長義がやって来てからはそれを良しとしなかった。
審神者は口を尖らせ拗ねたフリを見せた後、渋々自力で書類を片付ける様になった。けれど苦手な物が急に得意になる訳もなく、相変わらず日々押し寄せる行進を止めるべく数日に一度は修羅場を招いていた。それを見兼ねたやはり元政府の刀だった肥前がこっそりと手伝っていた──。
と言うのは建前だと、この本丸の愉快な刀たちは知っている。夜な夜な、あるいは昼日中でも、隙あらば審神者の部屋に行こうとする肥前と、誰の目から見てもそれを心待ちにしている審神者を、刀たちは好奇心に満ちた目で眺めては酒の肴にしていたのだ。
無条件で審神者を大好きになる刀の中には、まれにベクトルの違う「好き」をぶつけてくる者もいた。けれど、そんな刀たちと審神者はそう言う仲にならなかった。だから審神者は振ってしまった元彼未満の刀たちの手前、肥前との仲を公に出来ずにいた。
けれど、漸く歩けるようになった子どもの隠れんぼぐらい分かりやすい隠し方をされると、余計にこっそり覗き見たくなるもので、あの機械仕掛けの様な白山吉光でさえ好奇心には抗えず、肩に乗せたキツネと共に2人の行く末を生暖かく見守っていたのだ。
刀たちは自分が振られた事よりも、主の幸せの方が遥かに尊いと思っていた。何があっても主の幸せより大切な物は無いと信じて疑わない刀の性を、皆等しく持ち合わせていたからだ。
──と言うのも建前だった。
それでは何故刀たちはこの肥前忠広と主の恋路をそれ程までに気にかけているのか。
刀たちは皆、肥前忠広に重大なバグがある事を知らされていたからだ。
[newpage]
時は文久土佐での特命任務の最終日に遡る。審神者と任務に当たっていた陸奥守、誰かと誰かと誰か肥前忠広本刀、それと同じく政府権限で顕現した南海太郎朝尊の6振りを除く全ての刀がこんのすけによって広間に集められた。
今までに無い召集に、刀たちは騒めいていた。 そなホームルーム前の男子校の教室と化した大広間に、担任よろしくこんのすけがひゅんっ!とやって来て、普段は主が座る座布団の手前にちんまりと座った。
「刀剣男士の皆々様、本日はお忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます!」
「現在文久土佐にて任務に当たっている先行調査員の肥前忠広は、政府権限での顕現プログラムの中にミスがあった事が発覚しました」
ざわざわと隣り合う者通しが、ノイズ塗れの入電を入れてきた、あの目つきと口の悪い先行調査員の事を話し始めたので、こんねすけは「コホン」と咳払いをしてそれを鎮めた。
「肥前忠広は誉を取った時以外も桜が舞います。それはその、不可抗力で身体に変化をきたした場合──、それが性的な興奮によるもの──」
ゴニョゴニョと言い澱んでいたこんのすけは、言葉を濁すのにあっさり飽きてしまい、すうと息を吸い込んで、高らかに言い放った。
「まぁその、有り体に申しますと、ちんこが勃つと誉を頂いた時の様に桜吹雪が散ります。はっはっはー。まさかとは思いますが、肥前忠広が不自然な場面で桜を撒き散らしている事がありましたら、うまくサポートしてください。審神者は女性ですから、この事を伝えるか否かは皆さんに一任します。何せデリケートな問題ですからね!政府としては早急に正しいプログラムを作成し、肥前忠広に上書きする予定です。尚、同じ条件で顕現した南海太郎朝尊については調査中です!それではっ!」
こんのすけは一切の質問を受け付けず、ひゅんっ!と走り去った。
まず刀たちは理解が追いつかなかった。
「こんのすけ、今なんて??」
口火を切ったのは
「そんなかっこ悪いバグがあるなら折れた方がマシだ」
「もしぼくにそんなバグがあったら……。復讐してやる、政府に復讐してやる…」
「お小夜、その時は我らも助太刀しますからね」
「ええ、時には争わなければならない事もあるのです」
「肥前忠広の刀種は確か……」
「脇差だねぇ」
「うっわ、微妙……」
「微妙だなんて失礼ですねぇ!」
「そ!僕たち、やりたい盛りの思春期真っ只中ですからね!」
と鯰尾が言えば、隣に座る骨喰もコクっと頷く。
「その役は僕が引き受けよう。肥前とは面識がある。偽物くんは残りの4振りに事情を
「分かった」
「あとは怪しまれない様に持ち場に戻る事。各々、抜かりなく!」
「ただいまー!今帰ったぜよー!」
「おっと。しょっぱなから桜吹雪とは驚きだぜ……」
「ほーじゃろ、ほーじゃろ。地の利がある肥前のを隊長にしたら、ぎょーさん誉を取ったきに〜。まっこと頼りになる刀じゃ」
肩を組もうとした陸奥守の腕をパシッと叩いた。
「気安く触んな」
入電の映像では分からなかったが、新たにやって来たこの肥前忠広は、目付きと口だけでは無く、態度も悪いらしい。
けれど陸奥守は
「ほんにおんしは  じゃのー」
「ダメだ。アイツは桜吹雪が舞うタイプだ」
肥前忠広の   を決定づけたのは初期刀、山姥切国広の妙に説得力に満ちた一言だった。
近侍の山姥切、2人と同郷の陸奥守、亀の甲より年の功代表小烏丸、亀の甲も黙っちゃいない代表浦島虎徹
「とにかく、情報が少なすぎては対処が出来ぬ。まずは肥前忠広と南海太郎朝尊のちんこが機能しているかどうかを確かめる必要があるな」
「父に良き考えがある」
「大和守安定
「そうだなぁ、あのタイプは分かりやすく庇護欲をそそるロリ、制服と見せかけて、猫耳メイドで間違いないっ!」
「飛び出せ!新選組〜武田観柳斎と一緒〜」
「いいでしょコレ、萬屋.comの新サービスなんだ。これで堂々と」
「まずいことになった」
「主と肥前忠広は──。」
「一眼あったその日から恋の花が咲いてしまったか?」
「その通りだ」
かくしてこの本丸の刀たちは、陰日向となり肥前忠広を(性的に)刺激しない様努めてきたのであった。
大和守厳選AVが功を奏したのか、肥前は態度を軟化
人間らしくない南海先生の話
欲情がわからないから勃起するかどうかが分からない。
肥前のちんこが機能すると分かった一堂はがっくりと項垂れた。
少なくとも肥前忠広のバグが修正されるまで、ラーニング不足のAIの様に〝感情〟を肌感覚で理解出来
長谷部に「行け」と目で促された。
「う、うっかり予定外のとこでオナニーすると花びらの掃除するのが大変だよにゃ」
「え、お前は花びら消えないのか?」
「にゃ?!消えるのか??」
「あ、ああ、消えるタイプと残るタイプがいるそうだよ。ボクも残るタイプだから
「ふぅん。俺は治れば消える。消えないのは大変そうだな」
「そ、そうそう。き、き、き、綺麗にしたつもりでもお布団の間から出てきたりしてなっ。ははっ」
「お布団…」
「うるせぇ!てめーはどうなんだぎね!」
分が悪くなった同田貫は、
「あー、俺はオナニーはしないからなぁ。突くことしか脳が無いから」
「え、この界隈に風俗なんてあんのかよ」
「ま、その辺はテキトーだ」
「大包平はどうなんだ?」
「お、俺に聞くな!」
「そうだよ、大包平はピュアだからまだ桜吹雪の洗礼は浴びてないのさ。ちなみに僕は」
  に勤しむ刀たちにとって、肥前と審神者がひっそりと愛を育んでいた事は興味の外であった。
つまり、肥前と審神者が事におよべば、桜吹雪を知る事になる。
しかも「刀剣男士」全てに起こる現象だと勘違い
[newpage]
「え、何これ。何でさくら散ってるの?」
「は?知らねーのかよ、俺らはその……。こうなったら桜が散るんだよ」
肥前は審神者の手を掴み、そっと
「へぇ、そうなんだぁ。キレイだねー」
初めて同士だから問題なかった
昨夜も2人は執務室に篭っていた。けれど今回は本当に政府の無茶振りが過ぎた。2人は黙々と仕事を片付け、漸く政府のサーバに全ての書類を提出したのは春の曙、ようようたなびきたる雲がなんとかと言う、徹夜明けの2人にはおかしくもなんともない時間だった。
修羅場明けの2人は使い物にならない。特に肥前は
なんとか朝餉の席につき、白々しく離れて座る2人の様子を見て、心優しき刀たちは昨夜がお楽しみタイムでは無かったと理解した。だから今日はなるべく2人をそっとしておこうと、それぞれが胸のうちで思った。
「主、あとの事はこの長谷部にお任せください」
長谷部はいつにも増して恭しく胸の前に左手を添えて言い、
「そんな様子じゃまたとんでも無い失敗をするに決まってる。今日は2人ともおとなしく部屋にいてくれ。でないと迷惑だ」
と、長義にまで気を使われたので、審神者と肥前は生暖かい刀たちの視線に気づく余裕もないまま、食堂を後にした。
けれど2人は「何もしなくていい」と言われて喜べる程子どもでは無かった。
何かをしている振りで良かったのだが、示し合わせた様に誰も何もさせてはくれない。
そうやって半日ほど無駄に過ごしてしまった2人は、諦めて腰を落ち着ける事にした。
変えたばかりの景趣の菜の花畑に誘われるまま、2人は縁側に座り喋る気力も無く、うつらうつらと不規則に動くモンシロチョウを目で追った。
縁側から見えない道場から、木刀が勢いよくぶつかる音や、足で床を踏み鳴らす音に混ざり、あれは誰だろう、長曾根、ソハヤ、岩融の気合いの入った掛け声は聞き分けられるが、きっと他にももっと大勢で稽古をしているのが伺える。
うちに、だんだんと、だんだんとおざなりになって行き、審神者は隠そうともせずに大きな欠伸をした。
「だからこうなる前に俺を呼べっつっただろ」
肥前はいつにも増してへの字の口の頂を高くして隣に座る審神者を睨んだ。
「そうだよ〜。だからデッドラインの前にお願いしたじゃん。なのに昨夜さぁ」
審神者はそこまで言うと、頭を左右に振って辺りを見渡した。
玄関口では誰かが誰かを見送る声がする。出かけるのはきっと畑当番の歌仙、南海、それに乱で、見送っているのは安定と鯰尾、それに声は聞こえ無いが骨喰も一緒だろう。
遠くで刀たちの気配はするものの、見渡した中庭には気配も無いことを、シャキッとしない頭なりに確かめた審神者は、手にした湯飲みを盆に置き、隣に座る肥前に寄り掛かった。
この2人がそういう仲だと言う事を知られていないと思っているのは、残念ながら当の2人だけなのだ。
不意を突かれ、湯飲みの中身を零しそうになった肥前は慌てて持ち直し、右肩にかかる重みに目をやる。
「やぁお二人さん、茶でもどうだい?」
茶をすすっていると、通りかかった三日月が「お裾分けだ」と言って串に刺さった団子をくれた。そして「くれぐれもゆるりとな」と、よく分からない言葉を残して去って行った。
その甘じょっぱい蜜のかかったみたらし団子を、もっちゃもっちゃと食べているうちに、
「おとなしく寝てくれなかったじゃん」
そう言う審神者の顔は肥前からは見えない。どう頑張ってもつむじの渦しか見えない。
審神者の拗ねた口調に、らしくもなく不安になた肥前は、少し強引に審神者の顎を掬って、自分の方へ顔を向けさせた。
本気で嫌だった風では
「悪かったよ。据え膳も食う専門なんだ」
そして審神者の口の端についた甘じょっぱい蜜を舐め取った。
「もー。誰か来たらどうすんのよー」
「脇差のおれより偵察や隠密が高いヤツなんてそんなにいないだろ」
「うちの優秀な短刀ちゃん達を舐めてもらっちゃ困るわね」
「気配するか?」
「しないよ」
「ならいいだろ」
すぅ、と寝息を立て始めた。
肥前の心臓がトクンと跳ねた。
すると。
あたりから、桜の花びらが舞い始めた。疲れていると勃ちやすいのは覚えがある。
花びらを止めようと焦れば焦るほど、
なのに、疲れ切ってすやすやと眠る審神者を起こすのは忍びない、もったいないと思ってしまった。
だから自力でこの桜を止めようとするけれど、焦れば焦るほど淡く小さな花びらは、狂った様に
「あ、あの、あの、寒くなりそうですから、毛布を持って……」
無言で睨まれた五虎退は
「ふぇぇ!ごめんなさい!ごめんなさい!桜なんか見てないですからぁぁ!」
と涙声で走り去ってしまった。
肥前には五虎退を退ける気など全く無かった。むしろ、ふとした拍子にパーカーから飛び出しかねない大業者を隠すのに、毛布を受け取りたいぐらいだった。
「くっそ、どーすりゃいいんだよ」
肥前はまた唇をへの字に曲げて天を仰いだ。
肥前忠広が誰にも届かない言葉を吐いた縁側から、本丸の庭を抜け、道場の脇を過ぎ、大きな門をくぐり、さらに石畳を少し歩いた先では、畑当番の歌仙兼定、乱藤四郎、そして南海太郎朝尊が種を撒いていた。
「ふぅ」と息をつき身体を伸ばすと、南海の額から汗が滴る。
「そっちも終わったかい?」
歌仙に声を掛けられた南海は、振り返りにこやかに
「ああ。
南海はそこまで言って、ふと何かを思い、
「鍬を持ってるついでにね、桜の木の下を掘ってから帰る事にするよ」
「おや?梶井基次郎かい?君は刀の研究だけでなく、文学も嗜むんだね」
「文学はいい」と、嬉しそうに語り出した歌仙の言葉の隙間をくぐっ南海は言う。
「ほんの嗜む程度だよ。僕は君たちと違ってまだ人の身にも人の感情にも慣れてないからね。試しに文学に触れてみることにしたまでさ」
歌仙はあからさまにつまらなそうな顔をして、持っていた鍬を地面に立て、その柄を支えに頬杖をついた。
「そう言うところだよ、君。桜の下には死体なんて埋まって無いのさ。あれは、そうでも思わないと狂ってしまいそうな程桜が美しいって言うね──」
歌仙がそこまで言いかけた所で、種を撒き終えた乱が戻ってきた。
「二人とも酷いよー。耕し終わってるんなら手伝ってよね!」
「キミも言葉使いは違えど、情緒には敏感な[[rb:質 > たち]]だったね」
南海はひざを曲げ、
「ボクはね、可愛い物が大好きなの!」
「そうだなぁ。
「こうね?胸がきゅぅぅん!てなるの」
「ふむふむ。それは心臓の疾患では無いのかね?」
「やだなー、センセ。それとは別だよー」
「死骸が埋まっていないのなら行っても仕方ないな。なら僕も君たちと一緒に帰るとしよう」
「先生は物知りなのに、何にも知らないから、これから楽しい事だらけだねっ!」
「そうだね。陸奥守くんも肥前くんも人に近い刀だから、僕も
三人を出迎えたのは薬研と五虎退だった。普段なら本丸の中には入らずそのまま中庭へ向かい、主に帰ってきたと声をかけるのが常なのだが、
「しーっ。あの、あの、今そっちに行くとちょっとぉ」
と、歯切れの悪い五虎退に止められた。
一緒にいた薬研は、笑いを
「大将が肥前の旦那の肩を枕に寝ちまったみたいでな」
眉を下げる五虎退とは違い、薬研は背丈に見合った子どもらしい表情でククっと笑っている。
「起こしてしまうのは無粋だね」
「それだけならほっとくんだがな」
薬研は手招きをして、
「なになに?」
円陣を組む様に顔を寄せた一同を見渡してから薬研は声を潜めて言った。
「肥前の旦那、桜を散らしてる」
「ぶっ!」
「それはつまり、主に欲情している
「やっだー!そんなの見たいに決まってんじゃん!」
「あれはなかなか見ものだぜ?」
「僕も欲情がなんたるかを是非見なくてはっ!」
「暫く肥前さんは起きてたんですけど、寒くなりますよって声をかけたら、あの、その、すごく睨まれてしまって。ふぇぇ」
「はーん。そりゃ肥前は見られちゃ困るもんねー」
「で、みんな見て見ぬ振りをしてたらそのうち旦那も寝ちまったって訳だ」
4振りは、忍足で
「ちんこ勃ってるくせに、可愛いらしい顔しちゃってー」
「貴重だろ、ちんこ勃ててへの字口じゃない旦那の顔」
「ふむふむ。ちんこ勃ってる肥前くんを起こしてしまうのは、歌仙くんが言うところの無粋って事だね」
桜吹雪とはよく言ったもので、花びらは、のたりのたりと空を揺らめいて音もなく地に落ちる。
その中で寄り添ってうたた寝をする審神者と肥前の姿の、なんと微笑ましい事か。
「乱くん、
「ああ、今僕の心臓のが少しおかしな動きをしたよ。これが乱くんの言うきゅぅぅん!なのだね」
「おや??」
「先生、もしかして??」
「僕にも春が来てしまったようだねぇ」
「ちょっと待て、何が先生のスイッチなんだ?」
「んーー、前からそんな気はしていたんだが」
「可愛らしい肥前くんかな」
「じゃ、センセは恋を知った途端に振られちゃった訳だぁ」
南海が掌を差し出すと、桜の花びらが1枚、2枚と掠めて行った。
予想だにしない悲劇は突然起こる。いや、突然起こるから悲劇はより悲しみを際立たせると言っても過言ではない。
「からちゃん、味見をしてくれるかい?」
いつもにこやかな燭台切は、おそらく自信作の
馴れ合わない、が口癖の大倶利伽羅ではあるが、
無言で口を開け、菜箸で摘まれた柔らかい肉を
余程美味かったのだろう。咀嚼する大倶利伽羅の周りには桜が舞い始めた。
と、ここまでは良かったのだ。何の変哲も無い日常の伊達組ほのぼの劇場でしか無かったのだが。
「みっただー!ごちそうさまでしたー!」と、元気よくキッチンの引き戸を開けて審神者と、その背後には肥前が立っていた。
「なっ!」
「悪りぃ。邪魔した」
「いや!待って、邪魔じゃないから!ちっとも邪魔じゃないから!」
「どうしよう、肥前。ここはBL本丸だったんだね……」
「は?別にいーだろ。女はおれが独占してんだから。仕方ねーよ」
狼狽する審神者とは裏腹に、肥前は満更でも無い様子だ。
「そ、そうだよね。男士同士でもラブは尊いよね」
と、自分に言い聞かせる様に納得した。
審神者は困っていた。
男士たちが飛ばす桜の花びらを直視出来なくなったのだ。
「主ぃ!違います!これは歴とした誉ですっ!」
はまだいい。
「あるじさーん。ほめてくださいっ」と無邪気に抱きついてくる今剣の袴の下の感触を意識してしまうのだ。
今剣に
「ボクだって男だよ。あるじさーん、確かめてみる?肥前より」
「み、み、み、みだれちゃん?!」
「冗談だよっ」
「短刀だってその辺はよろしくやってるけど、所構わず桜飛ばしたりしないから安心しなよ」
「なぁ」
ドンっと壁際に追い詰めた。
「てめぇ、他のヤツのちんこばっか見てんじゃねぇ」
「も、もうそんなに見てないから!随分見分けつくようになったから!」
「あ?」
この一言は肥前の怒りの炎に油を注いだ。
「見分けがつくぐらい
スッと1枚のBlu-rayを畳の上を差し出した。
「来て早々だが、これをあんたにやる。近侍からの祝いだと思ってくれればいい」
「センセ、こりゃ凄い
「み、見たく、無いのか?」
「もし今後、この手の物に興味が湧いたら、俺に知らせろ」
「今後、
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桜が散るまでになんとかしたいひぜさに
初公開日: 2020年04月05日
最終更新日: 2020年04月05日
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筋トレ
名なしのAさんは月夜に、テーブルにカップが置かれたままの部屋でフォーチュンクッキーを貰った話をしてく…
瀬をはやみ
ゆにば行く宿伏になるはず
企画の遅刻参加したいと思っているけど間に合わなかったら普通に投稿予定。ゆにばに行ってひたすら食べまく…
あぼだ