果たして4月10日に間に合うのか
しどーくんの日に投稿するはずのやつ
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※あてんしょん!!※
・主人公がクリエではありません。
・お天気ポンコツビルダー、エリィのおはなし。
・草食系お兄ちゃんビルダー、ヒスイも居ます。
・4月10日はシドー君の日!
・というわけで、去年のシドー君の日の続きです。
・端的に申し上げて、シドエリの子供が出ます。
・名前は任意です。
・ちょwww最早3次創作wwwという方はれっつりたーん!
・子供はいませんが、ヒスイとルルちゃんも既にくっついてる設定です。
・まだその道筋考えてねえのにな!!
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生物の赤子というものを、見たことがない訳じゃない。
島に暮らすわんこやにゃんこ、牛達はよく増えている。
要するに、その生き物の縮小版だ。稀にニワトリのように姿が変わるものも居るようだが、大抵はそうだ……と認識していた。
……今日と言う日までは、だが。
「なあ、人間の子供ってのはこんなに小さいのか? とても歩けそうにないぞ」
「生まれたばかりで歩ける訳ないでしょ」
エリィの腹に、俺の子供が宿っていると判明してから、数ヶ月経った。
今朝方になって腹が痛いと訴え出したエリィのそれが、子供が生まれそうなのだと気付くまでにひと悶着あり、それから何時間も経ってやっと落ち着いた訳なんだが。
まるで各地を支配していた総督のヤツらと戦った時のような大騒ぎの中、邪魔だから外に居ろとルルに押し出され、やっと今エリィと……子供とも。会えた。
そして、そこで初めて目にしたあまりにも小さな生き物に驚いた。
にゃんこ……、あるいはわんこサイズか。人間と言うには小さすぎる。
髪もうっすらとだけで殆ど生えてない。目さえ開いていない。最初に外で聞いた大きな声がこれから出たとは思えない程の小ささ。
「だが、わんこの子供は生まれてすぐに歩いていたぞ?」
「んー、その辺の違いはルルだって知らないけど」
「本来野生で生きているような生き物は、すぐに動けないと魔物や天敵に襲われちゃうからね。でも、人間は守ってくれる人が居るから小さく生まれてくるんだと思うよ」
あまりの小ささに、物珍しさで肌をつつく気にもなれない。というか、触ったら壊しそうな気がする。
これが普通なのか、おかしくないのかと尋ねたいのだが、ハッキリしないルルの代わりにヒスイが答えてくれた。
なるほど。普通の動物は、人間や魔物が飼っていなければ守ってくれる相手も居ない訳だし、すぐに逃げられるようにならなければ喰われてしまう、と。
「それに、これ以上大きくなるまでお腹に居たら、生む時もっと大変だよ」
「……そうだな。それを思えば、むしろでかすぎるくらいか?」
あまりにも未成熟だと思ったが、あの待ち時間の長さを思えば妥当なのだろう。
まさか、朝から夕方までかかるとは思わなかった。
今まで、子を産んだらしい動物たちも、朝には当然のように増えていたし。
そのクセ、オンバやミト曰く『安産だった』のだそうだ。
あれで安産……つまり問題なくきちんと生まれたって事で。あんなに時間がかかって、めちゃくちゃ苦しそうな声がしていたのに、安産。
もはや意味が解らない。そう考えると、これくらいが丁度いいってことか。
「まあ、時間がかかったのは、単純に数よね」
「そうか」
俺達の前に置かれている布の塊は二つ。
それぞれに一人ずつ、小さすぎる人間の赤ん坊が包まれている。
つまりは、二人。生まれたのは、双子。
その分時間がかかったのは、当然なんだろうな。
「道理でやけに腹が膨れる訳だ……」
「爆発するんじゃないかーって、真っ青になってたもんねぇ、シドー君」
「腹の中に人間一人入るとか、冷静に考えたらとんでもない事だなって途中で気付いたんだから、仕方ないだろ」
しかも、その時は普通の人間の赤子のサイズがよく解らなかった。
最初に会った時のリズ以下の子供を俺は知らない。破壊神であれば知っていたのだろうが、その記憶は俺にはない。
文字で子が出来てから生まれるまでを知ったはいいが、文字だけでは解らない事が多すぎた。
もしや、破壊神の姿の子供でも生まれてくるんじゃないかとか、いい加減気が気じゃなかった。何度ルルに叱られたことか。マタニティブルーは女性がするものだとか。
そしてこうして生まれてみれば、思いの外未成熟で驚いたが、どこにも爪も鱗もない、人間の赤子だった。
……心底安心した。
「なんの溜息?」
「あー、……気が抜けた、か?」
「随分心配していたもんね」
「気持ちは解るけど、心配し過ぎだわ。エリィとシドーに、もう酷い事なんて起こる筈ないんだから」
あれだけ頑張ったのだから、あとは幸せだけって決まってるの! などとルルは何故か自信満々に言い切る。
その根拠が全く解らんが、そうであればいいなとは思う。
「ところで、そろそろ抱っこしてあげないの、お父さん」
「っ、いや、……待て、まだ心の準備が」
「なあに、壊しそうで怖いって言うの? 男って大抵そう言うらしいわね」
「あはははは、そうだねえ」
「……なに、ヒスイは余裕ね」
「いや、赤ちゃんのエリィを抱っこしたことあるから。確かに緊張したなあ、懐かしい」
笑いながら、ヒスイは赤子の片方をその腕に持ち上げる。
慎重な手つきだが、不安や迷いは感じない。
先ほど散々に泣いていた赤子は疲れたのか眠りについていて、抱き上げても反応は薄い。
「はい、シドー君腕を出して」
「だから待てって、もうちょっと、こう」
「待っても特に何も変わらないよ。力加減はわんこを抱っこするくらいで大丈夫だよ、それは解るよね?」
「お、おう」
「まだ首がすわってない……んー、自分で支える力が無いから、頭をこうして支えてあげて、勿論お尻も支えてね」
「……こうか」
こういう時、なんともヒスイは頼もしい。エリィはほわほわしてるし、ルルはさっさとしなさい! と迫ってくるし。
ヒスイは物を教えるのが上手いし、口調が穏やかだからなんというか、安心出来る。
うっすらと黒い髪が生えた子供を、ヒスイから受け取る。
正直、死ぬほど緊張する。うっかり力加減を間違えたら、確実に潰す気がした。
だって、どう見ても、どう考えても脆い生き物だ。潰すだけでなく、手を滑らせて落としても死ぬんじゃないだろうか。
しかし、怯えすぎても危険だろう。手が震えないように、なんとか落ち着こうと息を吸って吐いた。何故か、それすらもなるべく音が出ないように潜めて。
「きっと脆い生き物だ、って思ってるんだろうけど」
「んあ?」
「そうでもないよ? ほら、しっかり出来てる」
ハラハラする内心を見透かしたように、ヒスイが笑顔で布にくるまれていた小さな手を優しく取り出して、ほらと俺に見せる。
信じられないくらい小さな手だ。指に乗るんじゃないか。
だが、見た事無いくらい小さなその手は、形はしっかりと完成されている。
指はちゃんと5本あるし、しっかり爪もある。
改めて顔を見ると、なんというかまだふにゃふにゃとした顔つきだが、目も鼻も口もきっちり出来ている。
なるほど、ちゃんと出来てる。
「小さいけど……思ったより、完成度高いな」
「物作りと同じレベルで比べるんじゃないわよ」
「そうだな、でかいのより、すげえ小さいもの作る方が難しそうだし」
「そうじゃなくって」
たぶん、身体の中身ももう出来てるんだろう。
こんな複雑な作りの物を、身体の中で作ったのか……
すげえな、生き物って。
なんというか、弱い弱いと繰り返し言っているのが悪いというか、そぐわない気がしてきた。
神の力で幻としてホイと作るより、こちらの方がよほどすごくないか。
「人間ってすげえな……」
「他人事みたいに言うものじゃないわ? その子、半分はシドーが作ったようなものよ?」
「……、……そうか」
「頭の中で繋がってなかったの?」
「いや、なんか、解ってるつもりだったんだが実感がないというか、エリィが頑張って作ったものなんだな、というか」
「女の人は何カ月もお腹の中で触れ合って育てるけど、父親は出来ないからね。だからこそ、こうしてちゃんと抱っこして、触って、自分の子供なんだよって実感しておかないと」
「オマエも子供いないのに、やけに詳しいよな」
「って、父さんが母さんに説教されてたんだ」
そうか、エリィが生まれた時をヒスイは見てるから、そういうやりとりも見たことがあって、知ってるって訳か。
改めて、腕に抱いたあまりにも小さな生き物を見下ろす。
小さいは小さいが、なんというか、見た目から想像するよりも重いというか。中身がぎっしり詰まっている、という感じがする。
そして、布越しでも感じるほど、じわじわと伝わってくる暖かさ。
存在感が凄いと言うか、なんて言えばいい。上手い言葉が出てこないが、きちんとここに生きているという、……命の重みってやつか。
「シドー……」
「なんだよルル」
「……いえ。親バカが決定された顔をしてるわねって思ったけれど、それを茶化すのも場違いだと思うからやめるわ」
つまり、だらしない顔をしているとでも言いたかったのか。ほぼ言ってるじゃねえか。
自分がどんな顔をしているかなんか知らないが、確かに顔面の力が緩むような気はしている事は認めよう。
「仕方ないだろ、なんか可愛く見えてきたんだから」
「うん、それは実に良い反応だと思うよ」
「エリィ相手のとは違うけど、よく解らんが子供ってのは可愛いモンなんだな」
「エリィ相手のと同じだったら、とんだ犯罪だからやめてよね」
「大丈夫だ、違うのは解る」
可愛い、って感覚にそんな何パターンもあったとは驚きだ。確かにわんこやにゃんこに対する可愛いと、エリィに対する可愛いは違うとは思ってたが、これはまた更に違う。
なんだろうな。見た目やら言動やらが全く関与しないというか。ただそこに居るだけで可愛い気がする。
「にゅー……」
「お。起きたかエリィ」
にこにこしているヒスイと、あれこれ言いはするが常より緩んだ表情のルルに見守られながら子供という存在の可愛さに浸っていたら、微かに唸る声がして、ベッドに横になっていたエリィが目を開いた。
長時間の出産がよほど辛かったのか、俺が呼ばれた時には眠って居たが、目が覚めたらしい。
「大丈夫か?」
「んー……まだちょっと痛いけど、だいじょぶ、……あっ」
声をかければ、にへっと笑ってくれる。まだ痛い、がどの程度なのか解らないが、顔色が優れないところを見るに、無視できる程度ではないんだろう。
しばらく休ませるべきなんだろうな……と思っていたら、緩んでいた表情があっと驚いたようになって、次いでぷうと頬を膨らます。
「? どうした?」
「シドー君、ずるい……」
「んあ?」
「わたし、まだ、赤ちゃん抱っこしてないぃー……」
「あー、さっきヘロヘロだったから、皆に支えてもらってたものね」
さっきとは、産んだ直後に眠ってしまう前か。
頑張ってやっとの思いで産んだのに、先に抱っこされて悔しいとなるのは、解らなくも……無いか?
とりあえず割と元気そうな事に安心はした。
同じ事をヒスイも思っているようで、苦笑しながら俺が抱っこしていない方、エリィの横に寝かされているもう一人の赤子を更に寄せてやった。
「見えてないみたいだけど、もう一人はここに居るよ」
「あっ、ホントだ! ……んっしょ」
「だめだめ、起きないの。出血が酷かったからね、そのままで抱っこしてあげて」
……待て、出血が酷かったってなんだ。
知らない情報が出てきたことを問い詰めたかったが、今言い出せる雰囲気でもないので口をつぐんだ。
実際を見れなかったから解らんが、出産ってのは出血を伴うものなのか? それで、あんな痛そうな苦しそうな声が出てたのか?
確かに、時には命を失うケースもあるとか本にはあったが、そういう理由だったのか……
改めて、エリィも子供達も無事だったことに、安堵と共に大きく息を吐く。
「ふへへ……ちっちゃくて可愛いぃー」
隣に小さな赤子を寄せられて、抱っこというか寝たまま腕を回して緩く抱きしめると、とろけたような幸せそうな笑顔を浮かべた。
たぶん、俺もさっきああいう顔だったんだろう。
なんともむず痒いような、そんな気分になって。ベッドに横になったままのエリィの髪を撫でた。
「こんな可愛いのを二人も、頑張って産んでくれてありがとな」
「んふー……♪」
心から礼を言えば、自慢げに笑って鼻を鳴らす。
ホントにすげえなオマエは。
ビルダーだからなのか、エリィだからなのか、それとも他の理由かは解らないが。
「ところで、その子達の名前はどうするの?」
「あっ、そうだ! どうしよ?」
「考えてなかったわけ……?」
「んー、お顔を見たらピンって閃くかなーって……」
「まあそういうのもアリだよね。それで、閃いた?」
そもそも、二人産まれるとは思ってなかったしな……
俺が抱っこしてる子も、エリィが抱っこしてる子も、どちらも同じ黒髪だ。まあ両親がそうなんだから、当たり前だろうが。
双子というと、よく似た容姿になると聞くが、そうなるんだろうか?
今の所、俺とエリィのどちらに似ているかは、正直よく解らない。
しかし、現時点でハッキリとした差異はある。
「片方男で、片方女なんだよな?」
「ええ、そうよ」
俺はこの布にぐるぐる状態しか見てないから解らないが、ルルやミト曰く、男と女の双子であるらしい。
だから、きっとよく似たとしても、そのうち違いは出るんだろう。
「うーん、……うーん」
「今日すぐに決めなきゃいけない訳でもないし、ゆっくり考えてもいいと思うよ?」
「うん、でも、早くお名前で呼びたいなあ」
「そうだな。男の方、とか女の方、って呼び方はなんかこう、可愛くない」
「シドーからそんな言葉が出るなんて、ルル思ってもみなかったわ」
どういう意味だ。
せっかくこんなに可愛いんだぞ。それをそんな雑な呼び方をしたら、勿体ないだろうが。
「そうねぇ、親の名前を一文字貰うとか、そういうのはよく聞くわよね」
「そうだね、あとはお世話になった人の名前を頂くとか」
なるほど、そういうのもあるのか。
世話になったヤツ……なんて、数えきれないほど居るけどな。今この島に居るヤツで、世話になった事が無い相手なんかいないんじゃないだろうか。ただしプットを除く。
沢山居過ぎて選べないな、それは。
「うーん、お世話になった人、いーっぱい居過ぎて、選べないなあ」
どうやら、エリィも同じ結論になったらしい。
それから、隣で寄り添う我が子を見て、考え込む。
「私とシドー君から一文字、……片っぽにどっちかの一文字だけじゃ、なんかずるいから……」
「ずるいって」
「んー、んー……、一文字ずつ……、……エドとシリ…」
「前者はともかく、後者最低だけど大丈夫?」
「だめ……?」
「ルルに是非を問うんじゃなくて、語感的に女の子に一生背負わせる名前としてそれで恨まれない自信ある?」
なんだかんだ苦笑に近い顔で見守り体勢だったルルに真顔で怒涛の突っ込みを入れられ、エリィがうっと言葉に詰まった。
まあ、その、なんだ。
俺でさえ、その名前をつけるのはどうかと思ったので、ルルが総突っ込みを入れるのは仕方がない気がした。
「えーと、シドー君は何かいい案がある?」
「……エリミネーター」
「やめなさい」
ヒスイに問われて絞り出してみたものの、どうも名前と言われて浮かぶのって、魔物のやつばっかりなんだよな……
マトモな記憶はないクセに、どうしてそういう知識だけは残されてるんだよ。
ルルに即座の却下をされて、そうなるだろうなとは思っていたのでそれ以上考えるのをやめた。
(60分過ぎたし重くなったのでここまで)