――カラン、カラン。
 相変わらず耳触りの良い音が、店内の人々へ瑠樺と蓮の存在を知らせる。
 カウンターの奥で立ってグラスを拭いていた剛希が二人の存在に気づくと、こちらを見て小さく手招きした。
 二人がカウンターの席に座ると、どこからか音もなく姿を現した流夜が何を話すでもなくそっと水の入った二つのグラスを差し出す。
「あらぁ、久しぶりね。二人とも元気してたかしらぁ」
「まぁな。あの後・・・色々とあったけど……」
 久しぶりな剛希の甘い声色に、瑠樺は思わず背筋が凍る。
 隣にいる蓮はカウンターに肘をついて、剛希に不愛想な態度で言葉を返した。
「色々あったの? それって大丈夫な訳?」
 そう話す剛希の声が途端に不安を含む。
 剛希はただ心配しているだけだというのに、それを無視して流夜に『いつもの』とさりげなく注文をしていた。
 瑠樺はそんな蓮の様子を見て、カバーするように口を開く。
「えっと、デパートの帰りに組織の狙撃手に待ち伏せされて大変な目にあいました……」
「なっ、あの後にそんな事があったんですね……」
 少し気まずそうに答えた瑠樺の言葉に真っ先に反応したのは、バーの少し奥でカクテルの準備をしていた流夜だ。
 デパートの一件で狙撃手の襲撃に遭う寸前までお供していたという事もあり、驚きを隠せない様子で目を丸くしている。
「えっ、それって……け、怪我は?! 後遺症とか残ってないかしら!」
 バンッという大きな音と共に、カウンターテーブルに剛希が半分身を乗り出す。
 剛希が勢いよくテーブルに手を着いた際に大きな音が鳴ったのだろう。
 その勢いに驚いた瑠樺は、やや身を引きながら少し罰が悪そうに目を逸らす。
「それが、蓮さんが三発も撃たれて……蓮さんのおかげで私は無傷なんですけれど、まだ傷は完治していないんです」
「そうなの?! 蓮君くん本当に大丈夫?!」
 瑠樺の言葉を聞いて、身を半分乗り出したまま体を蓮の方へと向けてその顔を覗き込む。
 ほぼ強制的に目を合わされた蓮は大きく溜息を吐き、嫌みの籠った表情と声で蓮は『近い』とだけ短く呟く。
「瑠樺、余計な事言わなくていい。元気なんだからここに居るんだよ。……って変な顔してないでさっさと離れろ剛希!」
 『元気だからここに居る』というのも確かに間違いではない。
 だが、瑠樺は知っている。先日の電車での出来事で蓮の傷口が開いてしまい、その痛みでここに来る直前まで度々痛みで顔をしかめていた事を。
 蓮に叱られることを承知でそれらも話そうかと悩んだ瑠樺だが、蓮が剛希に見せる嫌悪の表情からして元気なんだと読み取り二人の茶番を見守る。
 剛希なりの気遣いなのか、はたまたただのおふざけなのか。
 変顔をして笑かそうとした蓮に軽く怒鳴られてしょんぼりとしている剛希。
 そんな二人の光景を見守って静かに笑みを浮かべていると、流夜が蓮にカクテルを渡すついでに瑠樺の前にオレンジジュースをそっと差し出す。
「え、あれ。ジュースいいんですか?」
「はい! 僕からのサービスです。久しぶりにきてくれましたし、今日はゆっくりしてくださいね」
 そう言ってにっこりと笑う流夜。
 爽やかな笑顔を見せられた瑠樺は、不意に鼓動が高鳴るのを感じた。
 数秒の間を空けてお礼を忘れていたことに気づくと、瑠樺は嬉しそうに笑顔を浮かべる。
「ありがとうございます! 流夜さん!」
 流夜は満足そうに『どういたしまして』と瑠樺に伝えて、仕事に戻っていく。
 振り向き様に結んだ髪の毛がひらりと揺られる華麗な後姿に、視線を奪われる
 それを見計らったかのように剛希がこちらへ振り向き、そのツヤツヤの髪の毛を掻き上げながらカウンターテーブルに肘をついた。
「ところで、組織の方はどうかしら。情報収集は進んでる?」
「いや、結局大した情報は得られなかったな。……気になるのは、この間の女は強くてそいつの姉はもっと強い。ってところか?」
 剛希の問いかけに、蓮はカクテルを一口飲んでグラスをテーブルにそっと置きながら話す。
 手を顎に乗せて一人でブツブツとあぁでもないこうでもないと呟く。
「この間の女……まさか蓮くん、女でもできたの?!」
 どこの馬の骨とも知らない女はダメよ、アタシに紹介しなさい。
 などと、険しい顔をして普段より大きな声を出す剛希の様子に、作業中の流夜も思わず不思議そうに振り返っている。
 ――どうしてそうなるの。
 剛希の『女』への過剰反応っぷりを見せられ、瑠樺は呆れながら蓮の次の言葉を待つ。
 だが、いつまで経っても口を開かない蓮に違和感を持った瑠樺が視線を向けると、ブツブツとは言わなくなったものの無言で何か考えに没頭する様子の蓮に、呆れて苦笑いした。
 明らかに『この間の女』に関して説明が足りないと思った瑠樺は、言葉を足そうと口を開く。
「狙撃手の攻撃で蓮さんのハンドガンが壊れちゃったから、新しいのを貰いに行くために途中で電車に乗ったんです……」
 瑠樺は視線をオレンジジュースに向けて、ぽつりと話し始める。
 剛希と蓮は今まで何事も無かったかのように瑠樺の方へ振り向き、その言葉の続きを待った。
 そこで刀を使う一人の女が現れたこと、強かったその女は姉に鍛えて貰ったと発言していたこと。
 姉がこの間攻撃を仕掛けてきた狙撃手だということ。それから――
「あっ――!?」
 突然大きな声を放つ瑠樺に、その場にいる全員が注目する。
 蓮の『どうした』と言わんばかりの表情を見て、瑠樺は自分が咄嗟に大きな声を上げた事に気づく。
「あ、えっと……あの時の女の人、『ボスは姉様たち幹部の“雪月花”しか知らない』って……!」
「幹部――?!」
 瑠樺の発言から間を開ける事無く、蓮が目を丸くして呟いた。
 あの時の女の姉が幹部だということは、以前デパートの帰りに狙撃してきたあの女は――
「あいつ幹部だったのかよ?!」
 聞いてねぇぞ。と言葉を続ける蓮。
 そりゃあ言う訳もないでしょう。と瑠樺は心の中でツッコミながら、反応のない流夜と剛希の方へ顔を向ける。
 そこには。流夜がグラスを片付けてせっせとこちらへ話を聞きに来る流夜と――とてつもなく険しい顔をして瑠樺に射貫くような視線を向ける剛希の姿があった。
カット
Latest / 103:02
カットモードOFF
01:35
オカタピ
ちわちわちくわ〜
02:58
睦月しろは
ちくわ♪ちくわ♪((
03:25
オカタピ
あれなんかデジャブを感じる
21:03
オカタピ
突然ですけどしろはさんは晩ごはん何食べました〜?
22:18
睦月しろは
とんこつラーメェェェェェン⇈
22:24
オカタピ
自分はチキンステーキとトマトサラダ〜
22:37
睦月しろは
飯テロ対決、これは引き分けだな
22:37
オカタピ
豚骨ラーメンかぁ良いね!
23:05
オカタピ
次は負けんぞ
26:10
オカタピ
やっぱりBARのシーンは不可欠よな
26:54
睦月しろは
実は投稿してる方も、後数話でバーのシーン出てくるんだけどね((
27:01
睦月しろは
バーとオカマは必須
27:08
オカタピ
それな!
27:58
オカタピ
小説は絵がないから多少キャラが濃い方がイメージしやすいもんね
28:49
睦月しろは
そうなんですよねええええ
28:58
睦月しろは
後単純に私がオカマ好き←
29:40
オカタピ
偏見だけどオカマは面白くて優しいそしてキャラが濃いってイメージがあるもんね
30:04
睦月しろは
わかる。ここまで話が盛り上がるとネタバレしたくなる。。。。www
30:13
睦月しろは
コーヒーとってくる
30:21
オカタピ
行ってらー
33:25
オカタピ
おかえり〜ちなみにコーヒーは甘め?
33:47
睦月しろは
ただいま!み、ミルクコーヒー…
33:57
睦月しろは
(くっそ甘くないとのめない)
34:19
オカタピ
ミルクコーヒー美味しいよね〜甘いし
34:45
オカタピ
でも自分はコーヒーは砂糖なし派かな
35:50
睦月しろは
ブラックとか死ぬんですが?!
36:00
睦月しろは
大人だなぁ、かっこいい
36:52
オカタピ
全然大人じゃないですよ〜わがままですし
37:14
オカタピ
自分甘いのがちょっと苦手なんですよね、、、、、
37:58
睦月しろは
むしろ私、甘いのしか無理。。。。wwww
38:29
睦月しろは
オカタピさん、最初絶対年上だと思ってたし大人だよね???(暴論)
38:33
オカタピ
まぁ甘いの食べれば頭が働くし何より幸せになれますからね!
39:53
オカタピ
いやいやただのマセた子供ですよ
40:12
オカタピ
それに多分しろはさんより年下ですよ
40:48
睦月しろは
信じられない!!オカタピさんが年下だなんて私の立場がなくなるから信じねぇぞ!!!
41:49
オカタピ
落ち着いて落ち着いて私なんてしろはさんの立場がなくなるほど才能のある人間じゃありませんよ
42:53
オカタピ
なんせ捨てられるゴミにもなれなかったんですから!まっ最近はしろはさんやタツさん空狐さん達のおかげで前よりは楽しくやれてますけどね!
44:51
睦月しろは
楽しくやれてるならよかった。私にできる事なら力貸すからね!!例えば……またTatsuさんたちにドッキリ仕掛けたり(???)
45:24
睦月しろは
あと一つだけ言うなら、オカタピさんは絶対ゴミじゃない。大切な友達やと思ってるよ、私は。
45:41
オカタピ
ありがとう!とっても嬉しいよ!
52:15
睦月しろは
わいもオカタピさんとお話しできてうれしいんやで///
53:36
ななし@4faea7
楽しみ〜!
53:45
オカタピ
しろはさんの配信も見れるしお話もできる!こんな贅沢な事はないよ全く ほんとにありがとう!
54:33
睦月しろは
いやいやいやいや、今までたくさん執筆配信とかもしたけどここまで熱意持ってみてくれてるの多分オカタピさんくらいだし…
54:59
睦月しろは
監視されてるから余計に書けるし最高!(でも無理はせず。来れる時だけおいでね!)
55:35
オカタピ
無理をしてるのはしろはさんじゃい!
55:57
睦月しろは
わい無理してないやい!!
56:40
睦月しろは
あ、無理はしてないけど我慢してることはあるかも。。。
56:45
オカタピ
徹夜したりして体調崩しながらもリスナーの為に配信したり夢を追いかけてる人は誰やろなー
56:57
睦月しろは
トイレ、行ってくる。。。。。。
57:07
オカタピ
行ってらっしゃい!
58:28
睦月しろは
小説書くの楽しすぎて時々トイレ行くの忘れちゃうwww
58:44
オカタピ
58:53
オカタピ
まぁ楽しくしてるから良いのかな?
58:58
睦月しろは
確かに体調崩してやる場面も多いけど、これをやらないと気持ちまでしんどくなっちゃうからねー
59:15
睦月しろは
まじでしんどくなったらみんなに報告して休むから安心したまえ!!
59:32
オカタピ
そこはしろはさんを信じてるから大丈夫!
61:29
オカタピ
というかもう配信し始めて1時間経つのか〜やっぱり時間は待ってくれないね
63:02
睦月しろは
速いね!!筆が乗ってるからもttttttっと書きたいのに腰痛いww
63:19
睦月しろは
とりあえずこの一話書けたらもっかい休憩挟む。。。
64:16
オカタピ
そうしよそうしよ
80:41
オカタピ
ふぁぁ( ´Д`)しろはさん大丈夫眠くない?
80:55
睦月しろは
若干眠いけどそれより腰g((
81:17
睦月しろは
オカタピさんもちゃんと寝るんよ!私はまだまだ起きれるからあれだけど。。。
81:18
オカタピ
ほらこれ終わらせたら腰揉んであげるから頑張って!
81:42
睦月しろは
腰揉まなくていいから寝て?!嬉しいけど!←
82:00
オカタピ
おっと?一人にはさせないぜ?(イケボォ)
90:33
睦月しろは
キャー///
99:17
睦月しろは
でけた。。。
99:43
睦月しろは
一回休憩します。オカタピさんさいごまで付き合ってくれてありがと、、、
99:54
オカタピ
ちゃんと寝てよ!
100:15
オカタピ
まぁ俺も寝ないとだけど
100:17
睦月しろは
わかった!寝る!でも寝れなかったらまた書く!!
100:39
オカタピ
じゃあ僕はもう寝るよ、、、、、
100:46
オカタピ
おやすみしろはさん
100:54
睦月しろは
寝てくれ!!!おやすみなさい!ありがとう!
101:08
睦月しろは
オカタピさん、また明日ね
101:14
睦月しろは
(今日だけど)
チャットコメント
文字サイズ
向き
チャットコメント通知
悲願のバレット 44話
初公開日: 2021年10月12日
最終更新日: 2021年10月12日
ブックマーク
スキ!
コメント
小説家になろうとカクヨムで投稿してます。
家族を殺された少女による復讐のお話。(ネタバレ注意)
第7回カクヨムWebコンテストに向けて執筆中。
あらすじとかプロット作る
新人賞に向けて作品を要約するので、その為のプロット作り。
睦月しろは
悲願のバレット 推敲作業(一週目)
小説家になろうとカクヨムで投稿してます。家族を殺された少女による復讐のお話。(ネタバレ注意) 第7回…
睦月しろは
mskdくん
企画のmskdくん書いてく……相変わらず口と手を同時に動かせないのろまなので見守ってほしい〜
29
BLEACH鬼滅二次創作 76話【連載】
BLEACH鬼滅の二次創作を書きます。76話です。 藍染の名前思いっきり間違ってましたね、おちゃめ。…
ぬー(旧名:菊の花の様に)