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本文947文字/26行。総執筆数2293(内訳:追加文字数1687/削除文字数606)。
ショートショート。
【はいブリっと】
信じられない。ちょっとした休憩のつもりで立ち寄っただけなのに、とんでもないものを発見してしまった。
生き物である。
我々にとってゴミでしかないチョチョームを与えるだけで、我々にとっては最も価値の高いデデムデムデムを、それは生成する。
あり得ない。
それの生成するデデムデムデムとは、言ってしまえば、ほんの一欠けらにも満たない量のなかに、無数のシャシャを含有する。シャシャは言わば命そのものだ。デデムデムデムにはまるで一つの星のごとく命が凝縮しているのである。
いいや、星どころではない。
どんな星であろうと、シャシャをぎゅぎゅっと集めたところで、デデムデムデムの一欠けらにも値しない。デデムデムデムに含まれるシャシャはそれほどに大量に、一つどころに圧縮されて存在する。
そんな貴重なデデムデムデムを、あろうことかこの生き物は、我々にとってゴミでしかないチョチョームを与えるだけで、同じだけの量のデデムデムデムを生成する。
しかもこの生き物、そこら中にうようよいる。取り放題なんてものではない。
ひとまず数匹を捕獲して、持って帰ることにした。
帰路の途中でさっそくデデムデムデムを生みだしてくれた。
これだけの量があれば我が一族は生涯安泰だ。
のみならず、我が星の資源問題は解決したも同然だ。
いったいこの生き物は何なのだろう。
なぜこうもデデムデムデムを生みだせるのか。
生みだしてなお、それを粗末に扱うのか。知能がないわけではなさそうだ。言語らしきものを扱い、個々に意思を疎通して見える。道具を扱い、文明のようなものを築いている。
生態は謎に包まれているが、身体の上のほうにある穴からチョチョームを摂取すると、下のほうにある穴から、デデムデムデムをひねくりだす。
いったいどれほどの価値があるのかに気づいていないのだろう。
まるで毒でも扱うように、デデムデムデムを一か所に集め、そこから距離をとっている。
デデムデムデムを生みだす仕草から、それら生き物をブリットと名付けよう。
二本の細長い突起物で身体を支え移動するそれは、下のほうにある穴を地面に近づけ、いかにも苦しそうに、ブリブリっとデデムデムデムを、我らにとっての宝物を生みだすのである。
推敲は後日します。半年は寝かせてからしたいと思います。