創作BL 独占欲強め溺愛社会人×従順大学生の日常
〈週に一回、弁当の日〉
 今日は上手くできた。日和は心の中で小さくガッツポーズをする。
 フライパンの中には、足を大きく広げたタコさんウインナーたち。この前初めてつくったときは思ったように足が広がらず、不細工なタコを生み出してしまった。そのリベンジは成功。今日はみんな可愛い。
 日和は箸で一つひとつ丁寧に摘まんでいくと、弁当の空いた隙間を埋めていく。卵焼きやプチトマトの隣でひょっこりと顔を出すタコさん。ふと顔を見つめては、思わずふんっと満足げに息を吐く。
「あとは、これだけ」
 前もってサランラップに包み、丸めていた米を取り出すと弁当の下段に詰めていく。それに海苔を小さく切ってつくったパーツを貼っていけば、パンダ二匹の出来上がり。中身は成美の好きな鮭と梅だ。
 少し熱を取ってから蓋を閉めよう。彩りを考え詰めた弁当を手でパタパタと軽く仰ぐと、後ろの食器棚の引き出しからメモ帳と探す。
 今日はせっかくだからパンダ柄にしよう。整理整頓されたメモ帳たちの中から一つを決め、一枚はがすと一緒に置いておいたボールペンを握る。さて、今日はなんと書こうか。
 弁当をつくったときには必ず一枚短いメッセージをつけている。始めは小さい頃、友人の弁当についていたお母さんのメモに憧れてやってみた。すると、思った以上に成美が喜んでくれ、毎回つけるようになった。そんな習慣からか、可愛いメモや面白いメモを見つけると、ついつい買ってきてしまう。
〈お仕事、頑張ってね! タコさんウインナー、上手くできたよ〉
 よし、これでいいか。右端に小さく名前をつけると、無言で頷く。
 そろそろ冷めてきただろうか。おかずの上にあった湯気たちが薄くなっているのを確認すると蓋を閉め、その上にメモを置く。それを紺と白の水玉模様の袋に包むと、保冷材とともに黒の手提げカバンの中へと入れた。
 今日はなかなか可愛い弁当ができたぞ。これ、会社で見たらどんな顔するかな。蓋を開けたときの成美の顔を想像し、ふふっと一人で笑う。きっと昼になれば、連絡が来るはずだ。
 週に一回、弁当をつくるようになってから楽しみが増えた。これ、好きだな。次はこれに挑戦してみようかな。それが積み重なり、少しずつ好きやできるが増えていく。ただでさえ、成美と恋人になってからというもの、心に溢れるほどの幸せを貰っているのに。
 この楽しみがいつまでもつづいてほしいな――
「あっ、そろそろ起こさないと」
 リビングにある時計を見れば、成美が起きる時間が近づいてきている。日和は弁当に入ったカバンをダイニングテーブルに置くと、駆け足で成美が眠る寝室へと向かった。
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初公開日: 2020年09月14日
最終更新日: 2020年09月14日
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Pixiv【https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=13568310】
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深由美夜さまの『死にたがりの美学』をあらたきふるの文体で
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