自分は他の人とは違う。
みんな容易くできることが、こんなにも不得手なのだから。
私は、僕は、あたしは、俺は、■■は。
みんなと同じ世界で生きていない。
だから、追いつくために取れる手段は全て取る。
インセイン「EgoPhobia」
それは、この世界で生きていたいと願う自分が選んだ手段だった。
邦題:できそこないの私たち
プレイヤー人数:3人
リミット:3サイクル
ワールドセッテイング:本当は怖い現代日本
シナリオタイプ:バトルロイヤル
シーン表:オリジナル「死に至るほどの強い悪夢シーン表」
狂気:20枚
所要時間:2~3時間(PC会話量により増減)
備考:自PC及び他PCの死亡描写あり。恐怖判定多数。
PCたちは特殊な薬を常飲することで、それぞれの悩みを解決しています。
その代わり、自分が死ぬ夢を毎晩見て、現実と同じ痛みを感じて起きる日常を送っています。
ある日、その日常に異変がおきます。
今日の悪夢は、何度死んでも目覚めることができません。
彼らは夢の中で同じ境遇である他PCたちと知り合い、悪夢から目覚めることを目指します。
そんな、バトルロイヤル型のインセインシナリオです。
使命を達成できるのはPC1人だけ。
【使命】
あなたは精神を安定させるために、ネットで買った薬を常飲している。
その効果は著しく、日中は動けるまで回復した。
近頃は調子がよく、
周囲を気にかける余裕ができるほどだった。
だからはやく、この夢から覚めないといけない。
元の自分に戻ってしまう。
あなたの使命は、「夢から目覚めること」だ。
あなたは初期狂気として、【狂気】を1つ獲得している。
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【使命】
あなたは仕事や勉強で成果を出すために、ネットで買った薬を常飲している。
その効果は著しく、あなたの能力は日々高まっていくようだ。
おかげで、あなたは今日も全力で過ごすことができた。
薬のおかげで睡眠時間が短くすむのも都合がいい。
明日もやりきるために、この長い夢も終わらせるつもりだ。
あなたの使命は、「夢から目覚めること」だ。
あなたは初期狂気として、【狂気】を1つ獲得している。
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【使命】
あなたは自分の魅力をあげるために、ネットで買った薬を常飲している。
その効果は著しく、思い通りに周囲が見てくれるようになった。
明日は大舞台。
あなたは自信がついたとはいえ、
緊張しながら眠りについた。
そのせいで、いつもより変な夢を見ているのかもしれない。
あなたの使命は、「夢から目覚めること」だ。
あなたは初期狂気として、【狂気】を1つ獲得している。
このシナリオはフィクションです。実際の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません。
ゲームをゲームとして、現実と区別して遊べる人向けです。
刺激が強いと感じた方は無理せずにセッションをやめてください。別の楽しいことをして遊びましょう。
また、このシナリオはバトルロイヤル型です。【使命】を達成できるPCは1人しかいません。
【使命】を達成するためには、どんな過程を通ったとしても、クライマックスフェイズでPC同士の殺し合いをしなければなりません。
GMもプレイヤーも、それらを了承したうえでゲームとして遊んでいただければ幸いです。
:ここからはGMのみご覧ください。:
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このシナリオは、「本当は怖い現代日本」のセッティングを使用します。
舞台はPCたちが見る悪夢です。シーン表は、「死に至るほどの強い悪夢シーン表」を使用してください。
PCたちは、それぞれに抱えた事情を解決する手段として、ネットで購入した薬を飲んでいます。
その薬は多種多様な効果を持ち、
代わりに、「死に至る程の強い悪夢」を見る副作用がありました。
その悪夢は通常の夢では感じないはずの苦痛もありました。
それでも、PCたちはそれに耐えながら薬を飲んでいました。
この薬には著しい抗うつ作用もあるため、気に病むことができなかったのです。
しかし、薬により精神は守られていても脳は衝撃を受け続けていました。
ある日の晩。衝撃を受け続けた肉体は、自分を守るために肉体と精神を切り離してしまいます。
精神を失ったPCの肉体は植物状態となり、切り離された精神はより深い悪夢(集合的無意識の一部)へ囚われました。
こうして、PCたちは気づかないうちに精神だけの状態になり、終わることがない悪夢に閉じ込められます。
コンセプトは「最後はPC同士で殺し合うことをプレイヤー間で前提にしつつ、狂気に振り回され自分本位に生きるPCたちを演じること」です。
このシナリオの前半では、PCたちは死に続ける悪夢により何度も死にます。
ときには、他PCの【狂気】の効果により殺されます。
その中で、PCたちは殺される悪夢を止めるために行動することでしょう。
その一方で、このシナリオの後半では、悪夢を止めることができても目覚められないこと。
目覚めるためには他PCを殺さなければならない事実に突き当たります。
ゲームマスターがいないデスゲームシナリオとも言えることでしょう。
残念ながら、PCたちはその事実に抗う余裕がありません。
もし彼らにそれだけの力があるならば、そもそも生きるために薬に手を出すことはなかったでしょうから。
PCたちは生きるために薬に手を出し、生きるために人を殺します。
なお、このシナリオではPCが死亡するシーンが多々ありますが、
インセインのルールにおける「死亡」とは違います。
ルール通り、クライマックスフェイズの戦闘で「死亡」を選ばない限り、キャラクターは消失しません。
このシナリオでは、以下の【狂気】を初期狂気として使用します。
GMはプレイヤーにPCハンドアウトを渡す際、以下の【狂気】を同時に渡してください。
・PC1:【いきすぎた想い】
・PC2:【広がる恐怖】
・PC3:【言葉を失う】
山札の【狂気】は、上記以外の【狂気】20枚を用意してください。
用意する【狂気】は、ダメージや恐怖判定関係のトリガーを持つものを選ぶとよいでしょう。
なお、このシナリオには怪異の出現やアイテムの「鎮痛剤」がありません。
GMが【狂気】の効果でダメージを与えるものを多く用意した場合、
メインフェイズ中にPC同士が殺し合うシーンが発生しやすくなります。
<一例>
『インセイン』より、合計20枚用意してください。
【疑心暗鬼】×2,【盲目】×2,【パニック】×2,【フェティッシュ】,【血への渇望】,【絶叫】,【怪物】,【異言】,
【闇からの祝福】,【潔癖】,【恐怖症】×2,【異性への恐怖】,【暴力衝動】×2,【狂信者】,【陰謀論】
このシナリオには1つプライズがあります。
○プライズ「生きる意思」
このプライズは、マスターシーンにより公開されます。
GMはハンドアウト「悪夢から逃れる手段」の計画判定に成功したPCに対し、このプライズを獲得させてください。
このプライズは、戦闘の戦果でしか移動しません。
(補足:上記条件に加えて、プライズが【狂気】の効果で移動可能としてもよいでしょう。)
このプライズを獲得しているPCはクライマックスフェイズ終了時に目覚めることができ、【使命】を達成することができます。
つまり、PCたちはこのプライズを戦果で獲得するために、クライマックスフェイズの戦闘で勝者を目指すことになります。
このシナリオでは、アイテムの「鎮痛剤」を持つことができません。
GMはプレイヤーのキャラクター作成時に、
「武器」か「お守り」のどちらかを持つように伝えてください。
また、PC同士の関係性は見知らぬもの同士を想定していますが、
プレイヤー間で合意が取れるのであれば、より深い関係性で作成してもよいでしょう。
このシナリオの導入フェイズは以下のとおりです。
すべてマスターシーンとなります。
PCが起きて寝るまでの行動を演出し、悪夢を見て死亡するシーンです。他PCは登場しません。
このシーンの目的は、プレイヤーがPCのキャラクター性を確認することと、PCが死ぬことに慣れてもらうことです。
そのPCがどのような人物で、どのような日常を送っているか。薬を飲むようになって、寝る時間は短くなったのか、長くなったのかなど。
どちらにしても、日中は精神や体に新たな不調が起きることもなく、PCたちは薬を飲んでから眠りにつきます。
そして、PC全員が眠りについた後、PCが悪夢を見て死亡するシーンを行います。
この夢に他PCは登場しませんが、PCは同一の悪夢を見ます。
PC全員は《乗り物》で恐怖判定を行い、【生命力】が0点になるまでダメージを受けます。
これにより、PC全員が行動不能になります。
<描写例>
あなたは強い光を感じて目を覚ます。
右手は冷たい鉄の感触。
左手は砂利石の感触。
顔を上げると、目の前には迫りくる鉄の壁とヘッドライトがあった。
それが何かと認識する前に、あなたは轢き殺される。
今日の悪夢は死ぬまでが短くてよかった。
全身の血と肉を飛び散らせながら、あなたは、そう思った。
PCたちが悪夢の中で目覚め、再び死亡するシーンです。
このシーンの目的は、悪夢の中でPC全員と顔合わせをすることです。
GMはPC全員の【生命力】を1点回復させて、行動不能を解除してください。
そして、PCが悪夢の中で出会うシーンを行います。
会話がある程度終わった段階で、PCは火事に巻き込まれて死亡します。
PC全員は《焼却》で恐怖判定を行い、【生命力】が0点になるダメージを受けます。
そして、PCは別の悪夢へ呼び出されます。目が覚めることはありません。
ハンドアウト「錠剤」「死に至る程の強い悪夢」を公開し、導入フェイズを終了します。
<描写例>
苦痛と共に意識を手放し、次に目を開けたときは自室が見える――はずだった。
暖かな暖炉の火が見える。
見知らぬ人間が同時に目を覚ましてこちらを見る。
彼らも、自分と同じように驚きの表情を浮かべている。
自室ではない。あなた達は洋風の応接室にいる。
夢がまだ、つづいている。
このシナリオには以下のマスターシーンが発生します。
状況が移り変わっていく悪夢の中で、シーンプレイヤーのPCが死亡するシーンです。
このシナリオは、オリジナルシーン表「死に至るほどの強い悪夢シーン表」を使用します。
このシーン表を使用したシーン終了時、
シーンプレイヤーのPCは恐怖判定を行ったあと、【生命力】が0点になるダメージを受けてください。
この恐怖判定では、シーン表に決められた特技を使用して判定を行ってください。
インセインのルールでは、【生命力】が0点になったPCは行動不能となります。
そして、メインフェイズの各シーン開始時に行動不能になっているキャラクターは、
自動的に【生命力】を1点回復することができます。
そのため、PCの【生命力】が0点になって行動不能になったとしても、次のシーン開始時に行動不能が解除されます。
なお、シーンプレイヤーはPCの死亡演出を行うタイミングを自由に決めることができます。
シーンの冒頭・判定を行う前・判定を行った後・シーン終了時など、演出したい内容に合わせて亡くなってください。
他PCも演出扱いで共に死ぬことが可能です。
ハンドアウト「悪夢から逃れる手段」の計画判定に成功した場合、発生します。
悪夢を止めて死ななくなったPCたちに、目覚める手段が明かされるシーンです。登場人物はPC全員です。
このシーンの目的は、悪夢が止まったことをPCたちに知らせると共に、目覚める手段を掲示することです。
GMはPC全員の【生命力】を最大値になるまで回復してください。
また、ハンドアウト「悪夢から逃れる手段」の計画判定に成功したPCに対し、プライズ「生きる意思」を獲得させてください。
その後、GMはハンドアウト「止まった夢」を公開して、このシーンは終了となります。
なお、このマスターシーン以降、シーン表の効果は適用されず、使用もしません。
PCたちはショーウィンドーの中に閉じ込められます。
<描写例>
あなたは感覚的に夢が自分の一部になったように感じた。
自分に迫る驚異を止め、思い浮かんだ場所に変える。
やってみれば簡単だった。
そう気を緩めた途端、あなたは夢を制御する感覚がわからなくなる。
あなた達をとりまく空気が変わった。
再び場所は切り替わり、あなた達はショーウィンドーの中にいた。
ショーウィンドーの中にいるマネキンのように、
あなた達は思うがままの服を着ている。
そしてどんなに時間が経っても、なにもおきなくなった。
・死に続ける悪夢について
この夢は明晰夢です。PCは夢を見始めた最初から夢だとわかっています。
死に方は毎回変わります。今まで、夢の中に人間の形をした人間は出てきたことはありません。
夢で感じる苦痛は現実味がありますが、目覚めた体には何も異常がありません。
また、夢から目覚めてしばらくすれば、夢の詳細な内容を思い出せなくなります。
それでも、自分が昨日何で死んでいたか程度なら思い出すことが可能です。
・薬について
ネットで購入した錠剤です。依存性はありません。
医師が処方する薬ではありません。
製薬会社名で調べても、情報は何も出てきません。
・止まった夢
ショーウィンドーの中には出入り用の扉が一つあります。
その扉は開きません。
PCたちはショーウィンドーから出ることはできませんが、
人を殺すための武器は念じるだけで呼び出すことができます。
3サイクル終了時点で、ハンドアウト「悪夢から逃れる手段」の計画判定に成功できなかった場合、
ゲームは終了します。
PCたちの薬の効果は切れ、その精神は繰り返される死の苦痛に耐えることができなくなります。
動く気力は失われていき、やがて何も考えることができなくなります。
計画判定に成功していた場合、クライマックスフェイズとなります。
クライマックスフェイズの戦闘はPC同士の乱闘となります。
エネミーは登場しません。
GMは戦闘開始時に以下の点を伝えてください。
・この戦闘の終了条件は2つ
① 戦闘に参加しているキャラクターが一人以下になった場合
② 7ラウンド目が開始された場合。このとき、戦闘は勝者なしで終了する
・自発的な脱落は行うことができる
そのため、6ラウンド目の終了時に戦闘に参加しているキャラクターが二人以上いた場合、
プレイヤー間で自発的脱落をするか否かを相談するとよいでしょう。
クライマックスフェイズの戦闘に勝利したPCは、ガラス越しにいる人々があなたを見ていることに気が付きます。
彼らは現実でも取りえそうな行動。つまり、写真を撮る・通報する・困惑の表情を浮かべる・逃げるなどのリアクションを取ります。
ここでようやく薬の効果が切れます。顕在化している狂気の数だけ【正気度】を1点減少させてください。
そして、あなただけがこの夢から目覚めます。
夢の中で死亡したPCは、現実の世界では植物状態です。緩やかに死へ向かいます。
もし勝者なしで戦闘が終了した場合、もしくは死亡していないPCが残っていた場合は、
夢の世界に取り残されることになります。
プライズ「生きる意思」の効力は失われ、目覚めることはできません。
死ぬ度胸がなければ、餓死するまでショーウィンドーの中に留まることになるでしょう。
目覚めることができたあなたは、薬を飲み続けるのでしょうか。
もし薬を飲んで死ぬ悪夢を見るのであれば、自分が死んでも痛みを感じないことに気が付きます。
人を殺し、自分が死につづけることに、心も体も完全に慣れてしまったのでしょう。
死んだPCに対する周囲の反応や、生き残ったPCの今後について会話してみてください。
【使命】
あなたは精神を安定させるために、ネットで買った薬を常飲している。
その効果は著しく、日中は動けるまで回復した。
近頃は調子がよく、
周囲を気にかける余裕ができるほどだった。
だからはやく、この夢から覚めないといけない。
元の自分に戻ってしまう。
あなたの使命は、「夢から目覚めること」だ。
あなたは初期狂気として、【狂気】を1つ獲得している。
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【秘密】
ショック:全員
あなたはどんな人でも仲良くすることができると信じている。
もしできないのであれば、
それは自分の会話が下手なせいだ。
そうして、自分が失言しないかどうかを気にしてばかりで、
周囲と比べて上手くできないと恥じているうちに、
いっそのこと消えてしまいたいと思うようになった。
そんな自分を鼓舞するために、あなたは薬を利用している。
あなたは初期狂気として、狂気【いきすぎた想い】を獲得している。
【使命】
あなたは仕事や勉強で成果を出すために、ネットで買った薬を常飲している。
その効果は著しく、あなたの能力は日々高まっていくようだ。
おかげで、あなたは今日も全力で過ごすことができた。
薬のおかげで睡眠時間が短くすむのも都合がいい。
明日もやりきるために、この長い夢も終わらせるつもりだ。
あなたの使命は、「夢から目覚めること」だ。
あなたは初期狂気として、【狂気】を1つ獲得している。
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【秘密】
ショック:全員
あなたは努力家だ。
周囲から認められるために、あらゆる手段を使い、やれることはすべてやった。
常識外の手段に手を出したのも、この薬が初めてではない。
期待に応えられるあなたは重宝され、さらにハードルが上がっていく。
あなたはそれを叶えられる手段を探していた。
この薬はやっと見つけた最適解だ。手放すことができるはずない。
あなたは初期狂気として、狂気【広がる恐怖】を獲得している。
【使命】
あなたは自分の魅力をあげるために、ネットで買った薬を常飲している。
その効果は著しく、思い通りに周囲が見てくれるようになった。
明日は大舞台。
あなたは自信がついたとはいえ、
緊張しながら眠りについた。
そのせいで、いつもより変な夢を見ているのかもしれない。
あなたの使命は、「夢から目覚めること」だ。
あなたは初期狂気として、【狂気】を1つ獲得している。
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【秘密】
ショック:全員
あなたは昔から自分の身体的特徴を受け入れることができない。
偏執的に治そうとして失敗し続けていた。
今はその不安が薬のおかげで癒やされている。
だから、薬をやめることができない。
せっかく身につけた自信がなくなってしまう。
あなたは初期狂気として、狂気【言葉を失う】を獲得している。
【概要】
あなたたちが常飲している薬。
依存性はない。
副作用として、「死に至る程の強い悪夢」を持つ。
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【秘密】
ショック:なし
拡散情報。
この薬は、著しい抗うつ作用を持つ。
その効果が続いている限り、いかなる苦痛に対しても精神の死を迎えることはない。
この【秘密】を獲得したPCは、
【秘密】獲得時のショックによる【正気度】減少が起きない。
ハンドアウト「薬の効果」を公開する。
【概要】
あなたたちの日常。
夢は突然はじまり、自分の死によって目が覚める。
そのときの苦痛は、現実と同じ痛みを感じるほど生々しいものだった。
なお、この夢は明晰夢であり、自分が夢を見ていると自覚できる。
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【秘密】
ショック:全員
薬の副作用より先に薬の効果が切れてしまった場合、
あなたたちの精神は苦痛に耐えることができないだろう。
3サイクル目終了時に、この死に続ける悪夢が止まっていなかった場合、
PC全員は精神的な死を迎え、ゲームは終了する。
ハンドアウト「 悪夢から逃れる手段」を公開する。
【概要】
あなたたちの共通点は、同じ薬を飲んでいることだった。
精神安定・能力向上・美容。
いくらなんでも、
薬の効果が広すぎるのではないか。
あなたは、そう疑問を持った。
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【秘密】
ショック:全員
この薬が副作用として夢を見せるのであれば、
自分が目覚めたと思い込んでる日中も、薬の作用で夢を見ているだけではないか。
だから、薬の効果が広いのだ。
その可能性に思い至る。
その可能性を否定する材料は、今はない。
あなたは《憂い》で恐怖判定を行う。
この恐怖判定では、成功で【狂気】を一つ、失敗で【狂気】を二つ獲得しなければならない。
【概要】
本当の死を迎えたくない。
明晰夢は夢の内容を制御できると聞いたことがある。
この死に続ける悪夢も止めることができるのだろうか。
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【秘密】
ショック:なし
拡散情報。
夢の展開を想像することで、明晰夢は制御が可能になる。
今まで何度も死んでいるあなたなら、
自分の死に様も、それを止める展開も想像できるかもしれない。
この【秘密】を獲得し、かつ、【狂気】が1枚以上顕在化しているPCは、
《拷問》で計画判定を行うことができる。
この計画判定は、判定を行うPCが顕在化している【狂気】の数と、
現在のサイクル数を合計した値だけ、プラスの修正がつく。
成功した場合、PC全員の死に続ける悪夢は止まる。
例.
顕在化している【狂気】が1枚のPCが、
2サイクル目に計画判定を行う場合、
その計画判定には+3の修正がつく。
【概要】
プライズ。
誰にだって、大切にしたい物や人がある。
これはただ一つの強い力を持つ、純粋な願いだ。
獲得しているPCが望む形をとり、味方となってくれるだろう。
このプライズを獲得しているPCは、
クライマックスフェイズ終了時に目覚めることができる。
また、戦闘の勝者が戦果として選んだ場合のみ、移動することができる。
このプライズに秘密はない。
【概要】
あなた達の非日常。
ショーウィンドーの中に閉じ込められ、次の夢が始まることはない。
制御することもできない。
ガラス越しに見える世界は、
忙しげにどこかへと向かう人々が歩いていた。
彼らは呼びかけても気づくことなく、通り過ぎていく。
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【秘密】
ショック:全員
悪夢を止めても目覚めることができない。
なぜなら、あなたの肉体が苦痛を感じる夢に耐えかねて、
精神を切り離しているからだ。
あなたは精神だけで夢の世界にいる。
そして、その精神は時間とともに夢の世界に飲み込まれつつある。
一度切れてしまった繋がりを戻すためには、
奇跡を起こせるような生きる意思が必要だ。
「死に至るほどの強い悪夢」シーン表(2d6)
シーン終了時、シーンプレイヤーのPCは指定特技で恐怖判定を行い、【生命力】が0点になるダメージを受ける。
2:餓死 《時間》で恐怖判定。
あなたは突如として耐え難い空腹に襲われ、体は骨と皮ばかりにしぼむ。目に映る世界が暗くなっていく。
3:圧殺 《地底》で恐怖判定。
あなたは檻のなかにいる。鉄の天井がゆっくりと確実に降りてくる。
4:溺死 《深海》で恐怖判定。
あなたは水の中にいる。見上げた水面ははるか遠くで、どんなにもがいても顔を出すことはかなわない。
5:轢殺 《機械》で恐怖判定。
あなたの手足は手錠で拘束されている。大きな歯車が左右から迫り、体を引き挟んでいく。
6:絞殺 《緊縛》で恐怖判定。
あなたの首は絡みついてきたロープによって縛り上げられる。その体は誰の手も届かないところまで宙吊りされる。
7:転落死 《情景》で恐怖判定。
あなたは自分の意思とは関係なく、もしくは自分の意思によって高所から落下する。
8:刺殺 《刺す》で恐怖判定。
あなたは無数のナイフによって刺される。這いずり逃げても、新たなナイフが現れては刺してくる。
9:毒殺 《痛み》で恐怖判定。
あなたの手から足、やがて全身の皮膚がひとりでに裂ける。血が流れ出し、止まることはない。
10:殴殺 《殴打》で恐怖判定。
あなたに対して石が投げつけられる。そのスピードと間隔は徐々に上がっていき、あなたの体が悲鳴を上げる。
11:斬殺 《分解》で恐怖判定。
あなたの四肢が巨大なカミソリで一つずつ切断されていく。最後は首がもげて地面を転がった。
12:生き埋め 《埋葬》で恐怖判定。
あなたは水が枯れた井戸の底にいる。頭上から土砂がかけられるたびに、光は少しずつ失われていく。
インセインのルルブを初めて読んだとき、メインフェイズ中に生命力が0点になっても生き返ることができるルールが印象にのこってました。
そのときに感じたわくわくが、このシナリオの根幹です。
このシナリオは、怪異が出てこなければ都合がよい奇跡も起こらず。PCたちの秘密はどこか現実味があるものとなっています。
悪趣味な舞台で殺し合うような物語を楽しんでみたいと思っていただけたのであれば、ぜひ遊んでみてください。
また、このシナリオはLeaFさん楽曲の「MARENOL」の影響を大いに受けています。
あなたが18歳以上で、デフォルメされたゴア表現が問題ない方であるなら、検索して聴いてみてください。
少なくとも、私はその曲を作業用BGMにしてこのシナリオを書いたぐらいには大好きです。