前回までのあらすじ
シャイロックは転移魔法に成功するもムルを見失う。魔法を使って世界中ムルを探し回る。やっと見つけたムルは前世の記憶を保持したまま転生していた。イギリスで友情を育てた二人。ムルはシャイロックのツテで、前世で想い人だった賢者様と再会、ルームシェアすることに。ムルの喜びも束の間、賢者様――晶はなぜか急によそよそしくなってプライベートルームに引っ込んでしまった。
ポイント1)シャイロックは自分が地球でも魔法が使えることを誰にも秘密にしている。
ポイント2)晶はミステリアスで大人の色香をまとったシャイロックのことを恋愛感情込みで好ましく思っている。
*****
第6話
 朝からけたたましく鳴り響く不協和音にビックリして僕は飛び起きた。地震の時よりも素早く立ち上がり、共同スペースに設置されたケトルに飛びつく。しかし元栓から抜けていたケトルは冷たいばかりか水すら入っていない。音源はケトルではなかった。その時、木琴が奏でる和音が聞こえてきたかと思ったら次の瞬間、壮大な宇宙空間をイメージさせるB級映画のバックサウンドみたいな音が足元から流れてきた。僕は慌ててちゃぶ台の下に頭を突っ込んだ。するとそこにバッテリーが20%になったスマートフォンを見つけ、音の出どころをようやく見つけて安堵した。
 どんな設定にしているのか、鶏やガチョウの鳴き声までリアルなそれは、朝の目覚まし機能というにはあまりにも耳が痛くなるような、聞いていたらそのうち耳がもげてしまいそうな、そんな類の怪音のオンパレードだった。
 僕はさっそくスマートフォンを操作してけたたましくなる音の電源を切った。部屋の中に朝の静けさが戻って来てから、手に持つスマートフォンに視線を落とした僕はある事に気が付く。
(僕が目覚まし時計止めちゃダメだよね……って、もう止めちゃったけどさ。もし大事な予定があるといけないから、とにかく今はムルさんを起さないと……!)
 僕はスマートフォンを片手に、寝室の扉の前に立った。
 いままで叔父さん好意で部屋を広く使わせてもらっていたから、こうして続き部屋に人が居るという状況に慣れていなかった僕は、緊張していた。寝ている人がいる部屋の扉をノックするなんて、気が引けてしまう。しかも相手はシャイロックの恋人かもしれないのだ。
(早起きしなくちゃいけないかどうか、確認するだけだから……。そう、確認するだけ)
 僕は勇気を振り絞って扉を三回ノックした。
 返事はない。
 しばらく待ってから「ムルさーん」と呼んで再度ノックする。すると中から明らかに覚醒前の「うう~ん」という声が聞こえてきた。
 僕はそれを勝手に入室してもいいかな? と、了承の意で捉えベッド脇の枕元に立った。
「ムルさん、ムルさん」
 そっと優しく声を掛けながら肩をゆすると、ムルさんは「んー」と言いながら寝ぼけ眼で僕の顔を見た。半分覚醒したムルさんを更に揺すろうと手を伸ばした僕の腕を掴む者がいた。ムルさんの手だ。
「え……」
 と思った時には、上体ごと引っ張られて僕の体はムルさんの腕の中におさまってしまっていた。
(え、ええぇぇぇぇぇええ……!!)
 焦りまくる僕を、ムルさんの長い手足ががっちりホールドしてくるので、抜け出せずにムルさんの体の上でもがくはめになった。
「む、ムルさんっ……起きてください! 僕ですよ!? シャイロックさんではありませんよ!?」
「ん~、むにゃむにゃ」
今日はここまでにします。ご視聴ありがとうございました!
Latest / 56:50
00:47
ゆら
たまに休憩しながら書きます。何かありましたらコメントください。
24:56
ゆら
休憩のため、配信一時停止します。
28:20
ゆら
今日はこの辺で終わりたいと思います。
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まほやく(ムルと晶)第6話目~
初公開日: 2020年06月12日
最終更新日: 2020年06月14日
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イギリス生まれ、日本育ちのムル。彼はイギリスの大学に進み、留学生として再び日本に戻って来た。
イギリスで退屈な日々を過ごしていたムルだったが、彼にはある秘密があった。
それは前世の記憶があって、本物の魔法使いだったこと――…。
ムルはシャイロックの紹介である日本人大学生とルームシェアをすることになるのだが、その人がまさかの前世で思いを寄せた賢者様で…。
――初めまして、賢者様。
****
いよいよムルと晶は同室で暮らし始める……。
まほやく(ムルと晶♂)
「前世の記憶を持つ留学生ムルと、前世の記憶を持たない晶がルームシェアして仲良くなる話」を書きたい。※…
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ゆら
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短時間ですが、続き書きます。降新でネイキッドチャレンジ!!
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ゆい乃