【笛の音を聞きながら、今の惨状を見渡している。死体、わりと無惨な感じに。外界は閉ざされているらしい。】
【臭気。身動きしようにも抱きすくめられている、小さい子供に。言いにおいがする】
「しーっだよ」
【イブ、イヤーワームに聞いた声の主ではなかろうか】
【小さな少年が佇んでいる。その容姿には見覚えがある。鶴亀、なのだろう】
「夢なの?」
「おままごと?」
【首をかしげて彼がそう言うと、来客が来た。狐耳を生やした石榴だった】
「我が君、只今帰りました」
【だが、声色がどこか違う。ねっとりしてる】
「だれ?」
「これを」
【跪いて、そのまま自らの腕を引きちぎって渡す】
「おいしい」
【かぶりついて、美味しそうに食べる。そういえば瀬谷の口元は石榴を食べる前には何も付いていない。それじゃなんの為にこの死人がいる?】
「石榴、と言います」
「ざくろ」
「ええ、石榴、私共の国では可憐で、高貴、という意」
【視線がこちらを向く、冷ややかだが、夢は痛みがないのか額に汗をにじませていない】
「……何故、御前は彼を停めた?」
【めを合わせるは、自分よりも奥、イブだ。不思議と自分は見えていない、停めている。石榴は自分の干渉を知っていたのだろうか】
【……いや、この石榴は現時点で同一人物というのか?なら彼はどこまで】
「彼奴は、真実を得るに奮起していたろうに。水を差しおって」
「だって挨拶しようとおもって……」
「恍けた事を」
【瀬谷の頭をいとおし気に撫でる】
「俺が死んだと彼奴が言えば贄となったというのに、まだ未完全で動かない」
「そーいうの僕きらい、せーさんせーないもん」
「生産性、所詮は合理の豚か」
「ぶーぶー、独り占めはだめだぶー」
【腕を千切れさせる】
「ここは人間の社会だ、君の世界じゃない」
【ぽっぷに腕を塗っていく】
「君がつよくなって社会の王様になればいいけど、それは出来ないしね」
「君は僕よりも弱いからだ、簡単でしょう?」
「お」
【至近距離で瀬谷の顔があった】
「とりあえず目星はついた、後は行くだけ……手伝ってくれると助かるけど」
【魔法陣もある】
「あのさ、石榴って好き?」
【はっ?って顔をされる】
「植物の方で」
【ちょっと考える】
「好きじゃないな」「あれだ、最初食った時は美味かったんだが、なんか他のは旨くない、ギャップ?ってやつか」
「昔って?」
「子供の……」
【唇がくうをかく】
「……いや、覚えてねえや」
00:00/00:00
広げて読む
縮める
読みもの

リハビリ

執筆開始 : 2019年11月11日 12:33
最終更新 : 2019年11月11日 12:59

コメント